こころの たべもの (2024.10)

 

 「花の詩画」作家の星野富弘さんが、今年4月に亡くなりました。二十代に怪我で頚髄を損傷し、手足の自由を失い、寝たきりの生活の中で、口に筆をくわえて、文字や絵を描き始めました。「私が一つの作品を仕上げるのには、だいたい15日かかります。一日にどんなに無理をしても2時間くらいしか筆をくわえられません」と書いています。四季折々に咲く野の草花の詩画作品は、見る人に「生きる勇気」「生きることのすばらしさ」を与えてくれます。お母さん図書に詩画集が数冊あるので、借りてゆっくりとご覧下さい。

 群馬県の富弘さんの故郷に、富弘美術館ができて、33年目になりますが、来館者は700万人を超え、今もたくさんの人が訪れています。我が家では、毎年、富弘カレンダーを購入して、四季の絵を眺めて楽しんでいます。今回、そのうちから何枚かを幼稚園のローカに飾って、子どもたちや保護者に見てほしいと企画しました。

 「わたしがどんなに絶望しようが、どんなに生きたくないと思おうが、いのちっていうものが、一生懸命、生きようとしている」「体には傷を受け、たしかに不自由ですが、心はいつまでも不自由ではないのです」と、星野さんの心にしみる言葉です。

 私たちも秋の美しい自然から、大切な何かを発見したり、感動する心を大切にしたいですね。