矢切幼稚園と出会えて

年長保護者 小野由利子

はじめに…

私は、現在小学6年生と年長の二人の息子がいます。兄は年中から入園して2年間、弟は年少からで3年間矢切幼稚園にお世話になっています。今年度でこの矢切幼稚園を卒園し、私自身関わりがなくなるのかと思うと、とても寂しく思います。いつまでもつながっていたいと思いながら...今までの幼稚園生活を振り返りたいと思い書かせて頂いております。またこれから幼稚園生活をスタートするお母さんたちにも、少しでも幼稚園選びの参考になったらいいなと思って、7年前の記憶を思い出しながら記していこうと思っています。

きっかけ…

長男の幼稚園探しをしたときに、近所の一つ上のお子さんをお持ちのお友達がおすすめしてくれたことがきっかけです。その方は、担任の先生が作成したクラスだよりを見せて下さいました。そこには「幼稚園の一日」がイラストを交えて分かりやすく書いてありました。それを見て「わぁ!楽しそう♪」と思ったのも事実ですが、それよりも初めて我が子と離れる保護者の気持ちも考えて下さってか、幼稚園でどんなことをしているのか分かるそのお便りに感心したのです。そこから周りのお友達で矢切幼稚園に入園している方にいろいろと話を伺うようになりました。どの方も幼稚園を悪く言う方がいらっしゃらない事にびっくりしました。他の幼稚園情報をお友達から聞くと、多少なりとも不平・不満などの声は聞こえてくるものだったのですが、矢切幼稚園にはそれがなかった事も大きな決め手でした。

幼稚園バスがない!

矢切幼稚園の特色の中で、保護者目線で大きなネックは幼稚園の送り迎えがある=幼稚園バスがない事だと思います。幼稚園まで朝送って行く というのと、家の前からバスに乗って行くのとでは、親の負担は大きく違います。また、うちの息子は乗り物が好きな子だったので、毎朝、家の前で停車する幼稚園バスを見て「あのバス乗ってみたいなぁ」とよく言っていました。その度に、入園後にバスじゃないのイヤだぁ~と言われるのかなとヒヤヒヤしていましたが、それは私の思い過ごしで、一度も泣かれることはありませんでした。

矢切幼稚園はお母さんやお父さんの送り迎えであることに、大変大きな意味を持っています。それは入園して初めて理解できました。入園説明会での園長先生のご説明では、登園も降園も保護者と一緒にというのは、親子でその日の出来事をたくさんおしゃべりできる時間にしてくださいという説明でした。確かに!幼稚園帰りに長男も次男もその日幼稚園であった楽しい事、悲しかった事、転んで痛かった事、新しいお友達ができた事などなど、たくさんのお喋りをしながら帰宅したものです。また、帰る方向が一緒のお友達と親子共々お喋りしながら帰ったり、一緒に近くの公園で1時間くらい遊んでから帰ったり。これは本当に私には合っていました。バス降園だったら、家の前でバスを降りたら、その後はそのまま家に入って公園には行かなかっただろうなぁ...(笑)

それ以外にも、送り迎えであることに大変助かる事があります。毎日担任の先生とその日の様子が話せるという利点ももちろんですが、個人面談や保護者の係りの打ち合わせなども、毎日のお迎えがあるからこそ、お迎えのついでとして参加できるように考えられています。バス送迎のある幼稚園のお友達から以前、個人面談の大変さを聞いたことがあります。個人面談がある時期は幼稚園が午前保育になり、午後我が子を連れて(下の子がいる方は、下の子も連れて)幼稚園に出向かなくてはいけないのだと。これがとても大変なんだと聞きました。矢切幼稚園では、通常のお迎えの後に個人面談の人だけ教室に入り面談を受けて帰るシステムです。

また、矢切幼稚園では送迎に車を利用する事も可能だという事も利点なのです。幼稚園に保護者用の駐車場も何台か用意されていますし、朝はドライブスルーで登園することもできますし、雨の日は駐輪場も駐車場として利用させて下さるので、そういった部分も保護者にとってとても有難い事なのです。 私は上の子が年長の時に下の子を身ごもり、妊婦でした。その時は自転車が乗れなかったので、ほぼ毎日車を利用させてもらっていました。降園時駐車場がいっぱいであっても近くのコインパーキングに1回100円で駐車して、その領収証が10枚たまると、園で半分の500円をキャッシュバックしてくださいます。これもまた本当に有難いシステムです。

保護者にとっても楽しい幼稚園

矢切幼稚園では、保護者の為の講座や催しもたくさんあります。今年度から無料化されたお母さん対象のヨガとダンスもその一つです。どちらも月に1回開催され、参加したいお母さんは申し込みをして、当日子供を通常通りに登園させた後、そのままお母さんはホールに直行します。約1時間ほどヨガでリフレッシュしたり、ダンスで汗をかいたりできます。私も、自分の用事と重ならない限り参加させて頂いており、学年を超えたお母さん達の輪もできたりするので、とても気に入って参加しています。何より、無料とは本当に驚きです!! ヨガの先生もダンスの先生も、以前この幼稚園に我が子を通わせていたお母さんだそうです。今、講師として訪れて、園に恩返しができているようでとても嬉しいとおっしゃっていました。その先生は、幼稚園で親睦を深めたママ友とは、子供が卒園して何年もたった今でもそのつながりは続いていてると話して下さいました。

保護者の為の催しは他にもあります。これも月に1度開催されている「子育てカフェ」です。これは、家で早お昼ご飯を食べて12時くらいに園に行き、ルームでお茶とお菓子を頂きながらその日のマスターである幼稚園の先生を司会に和気あいあいとお喋りをする会です。これも私は大好きでほぼ毎回出席しています。何を話すのか、どんな内容でどんなメンバーかはその都度異なるのですが、約1時間半ゆったりとした時間を過ごしたり子育てで悩みのある人の話を聞いたりしながら、楽しく過ごしています。子育てカフェは幼稚園の保護者だけでなく、地域の方も参加可能です。こちらも参加費は無料です。

年に一度の「やきりっこまつり」でも、園児だけでなく保護者も楽しいイベントです。まつり担当の係りの保護者と先生方がお店をひらいて下さって、バザーでお買い物をしたり食べ物を買って食べたりできるのですが、近年は有志のお母さん達が食べ物を作って売って下さったり、保護者がフリーマーケットを開いて、いろいろな物を販売したり、大変にぎわっています。昨年度は園の先生のお知り合いのミュージシャンがライブも行いました。それらの全てが園の関係者のみのイベントではなく、地域のどなたでも無料でご参加下さいと、地域にも開かれた幼稚園なのです。

卒園しても楽しい幼稚園

矢切幼稚園では、卒園してもその後幼稚園に遊びに行く機会があります。1年生にあがって間もなく「同窓会」として土曜日の自由登園日にみんなで集まって遊びます。何か月かしか経っていないのに、みんなに会えるのがとても新鮮だったのを覚えています。 また、小学校が代休で月曜日お休みの時は、幼稚園で「小学生のお手伝い」というのを行ってくださいます。これは、事前に申し込みをして給食費300円を持参して、朝から降園時間まで幼稚園で先生のお手伝いをすることができます。小学生のお兄さん、お姉さんが遊んでくれたと、在園児たちも大喜びです。 6年生の兄は、今でも矢切幼稚園が大好きです。土曜日の自由登園日に「一緒に行く?」と声をかけると喜んでついてきます。園内に入ると、自分がかつて遊んだ庭を懐かしく思いながら、幼稚園児に戻って弟と遊んだりします。「あぁ、オレ本当に幼稚園、大好きだったんだよなぁ」とつぶやきます。こうやって、卒園してからも幼稚園に遊びに来られる環境作りをして下さっている幼稚園に感謝です。

どの先生と話しても通じます

毎日親も通う幼稚園ですから、先生方はお母さんの顔と名前も覚えてくださいます。下の子を連れている人は下の子の事も先生方は覚えてくれるのです。担任の先生だけでなく、園で働く全ての先生方と顔見知りになり、フリーの先生は特に話しかけると何でも聞いて下さいます。担任の先生が忙しそうで見当たらなくても、フリーの先生に伝言したりすることもできます。これは、先生方と保護者の間に垣根がなく、いつでもアットホームな雰囲気でお喋りできたり、先生方もまた保護者に気軽にお声をかけてくれるという関係ができているからなんだなぁと思いました。 以前、子育てカフェで、入園して間もない年少さんのお母さんから、こんな質問がありました。「担任の先生にはいつ話しかけたら良いのか?いつもお忙しそうで声がかけられません。」という事でした。この質問に丁度居合わせた私は、こう答えました。「担任の先生が忙しそうで捕まらなかったら、近くにいる先生どなたでも話しかけて大丈夫ですよ。でも、どうしても担任の先生とお話ししたいようでしたら、降園後そのまま少し待って担任の先生が話終わったら声かけるといいです。また、話が長くなるようでしたら、メモ書きなどで担任の先生宛にお話をする時間を作ってくださいと伝えると、改めて時間を作って下さいます。」と答えました。

先生とお母さんの距離が近いという事は、どんな時でも大変助かります。

子供心を忘れない園長先生

矢切幼稚園の園長先生は、いつでも子供の事を中心で考えて下さいます。以前、園長先生に「この幼稚園は保護者に対して、本当に至れり尽くせりですね。」とお話しした事があります。すると園長先生は「お母さん達に至れり尽くせりではなく、子供たちにとって何が一番良い事なのかというように考えていますが、それが結果としてお母さん達にも良いようになっているんじゃないかな。」と答えて下さいました。 おぉ!!素晴らしい!!園長先生って本当に子供が好きなんだな♪とその時は思いました。 それからまた別の機会に思った事ですが、園長先生は何でもできます。子供達と遊ぶ事もしますし、手品もできますし、ギターも弾けますし、指人形のケロちゃんと腹話術でお喋りもできます。ダジャレも好きですし、こんな事をすると子供達はとても喜ぶという事をよく知っています。そんな園長先生を見ている内に、「あぁ、もしかしたら園長先生は子供好きというより、もっと子供に近い感覚を今でもお持ちになっているのかなぁ」と思いました。

また、こんな事もありました。長男の幼稚園説明会の時に、その当時お母さんと離れて遊べる子は1階の教室が遊び場になっていました。説明会が始まり、園長先生はいろいろなお話をしていました。とそこへ、急にお母さんの事を思い出したのでしょう、大泣きした子供が先生に抱っこされてホールに入ってきました。その時園長先生は、話をやめてその泣いている子供に「えらかったねぇ。今まで、お母さんと離れて遊べたんだねぇ」と褒めてくださっていました。

園長先生は、素晴らしい先生だなぁとつくづく感じます。保護者の意見にも耳を傾けて下さる懐の広さもありますし、保護者のお願いもなるべくきけるように対応してくださいます。働いているお母さん達のために、早登園も無料で引き受けて下さっていますし、延長保育も2時間延長で400円ととてもリーズナブルな金額で行っています。  以前、こんな事がありました。主人の父が救急車で運ばれた事があり、急きょ私はその病院に行かねばならなくなりました。幼稚園に電話して事情を説明しましたら、お迎えが行けないだけでなく、その日申し込んでいなかった延長保育もお願いしましたら、快く引き受けて下さいました。あの時は、本当に助かり、感謝の気持ちでいっぱいでした。

遠足は先生と子供達で

矢切幼稚園では、遠足は先生と子供達とで行きます。他の幼稚園のお母さんに聞いた話では、他の幼稚園は保護者の同伴で遠足に出かけると聞いたことがあります。それとは違って、子供達が保護者のいない状況で外にお出かけするのが遠足です。年少さんの春の遠足は近くの立見台公園まで手をつないで歩いて行くというものです。それでも、年少の子供達にとっては、子供同士で手をつなぎ道路を歩いて、信号を渡らなければなりません。大冒険に違いありません。ドキドキワクワクです。 年中、年長になると遠足も少しづつ遠い場所になっていきますが、基本は先生と子供達が行くのです。保護者は行きません。これはどうやら、他の幼稚園とは大きく異なることのようです。

さいごに...

矢切幼稚園の事を話始めると、私はどうしたって長くなってしまいます。それくらい、息子達がお世話になっていた期間は、私自身も幼稚園に関わって楽しく過ごしていたのです。毎日の送り迎えがあるからこそ、たくさんのママ友ができ、水曜日の午前保育があるからこそ、子供と一緒にお友達と一緒に、お昼ご飯を食べたり、水曜日の午後からちょっとした遠出をして皆で遊んだりすることもできました。子供がまだ小さい幼少期、悩みも尽きないこの時期を、気の合うママ友が相談にのってくれて乗り越えた事もありました。

幼稚園に通ったこの5年間は、親子共々たくさんのお友達を作り、充実した日々だったと思います。

つながり…私が矢切幼稚園と出会いつながったことで、また他のお母さんたちにも出会えた事、そしてまた別のお母さんたちへとつながりが続いていく事を願っています。