矢切幼稚園の誕生(2023.9)

矢切幼稚園の誕生(2023.9)

私の母は現在95歳で、この4月から近くの老人ホームに入
居しています。私は週何度か顔を見に立ち寄っています。
母は戦争中、空襲に遭遇し、川に飛び込んで何とか生き延
びました。戦後、幼稚園の先生を経験して結婚。昭和25年に
夫婦で東京葛飾区に8坪の小さな幼稚園を始めました。母は
22歳で園長になり、その年に私は生まれました。その幼稚園
は12年ほどで閉園となりましたが、父は新しい幼稚園の設立
を決意し、移転先に現在の場所を見つけ、昭和35年(1960)に
矢切幼稚園が誕生しました。
母は22歳から園長となり、矢切幼稚園を77歳で退職するま
で通算50年間、園長を務めたことになります。
母は手芸や縫物が得意で、退職後も園の子どもたちのため
に、トイレットペーパーの芯でプチケーキをたくさん作ったり、ま
まごと用のエプロンやスカートなど色々なものを作ってくれまし
た。また、卒園児のコサージュも何十年と毎年作り続けてくれ
ています。子どもが喜ぶ顔、楽しんでいる姿を見ることが大好
きでした。
母は、生涯、子どもたちに愛を注ぎつづけた人生を送ってき
ました。先日、久しぶりに来園して懐かしんでいました。矢切幼
稚園は64年前に誕生してから、多くの方たちによって支えら
れ、ここまで歩んでくることができました。本当に感謝です。