問題の子はいない(2024.9)
通常学校・学級に通いづらいと悩む子どもたちは、10年前に比べ1.5倍に増えているとの調査があります。幼稚園でも最近、子どもの発達のこと、育児のことで、担任への相談や、市や民間の発達センターなどに行って相談や指導を受ける子が以前より増えています。
幼稚園には、実に色々な個性、特性をもった子がいます。得意なことや苦手なこと、こだわりも様々です。そんな違う子ども同士が一緒に色々なことを体験して育ち合っていくのが幼稚園です。譲りあうこと、けんかすること、自分の思い通りにならないことなど友達から学ぶことはたくさんあります。一人ひとりが、かけがえのない貴重な存在であり、仲間です。子どもは子どもの中で育っていきます。
この夏、先生たちは、研修の時間をとり、全員で佐々木正美先生の「自閉症への理解」という講演会を録音で聴き、自閉症への理解を深めました。また外部の研修会への参加や課題図書など、子どものかかわり方について学びました。
「問題の子はいない。いるのは問題の親と教師である」と、ニイルという思想家の厳しい言葉があります。子どもに適切でない対応をした時に問題になるのであって、そもそも、どんな子どもも、子ども自身には問題はないのです。
子どもは、自分を理解し、支えてくれて、守ってくれる親や先生や仲間がいるということが、どれだけうれしく、幸せなことか。もし、「自分は悪い子」と周りが思わせてしまうと、悪い子を演じる子になります。どの子もみんないい子です。いけないことは注意しても、人格を否定し、悪い子と決めつけないでほしいです。どの子もその子なりの発達があり、自分のペースで自分のよさを見出していくことを信じて下さい。